弁護士と他の専門家とでは何が違うのですか?
弁護士と他の専門家とでは何が違うのですか?
1 弁護士だけが相続放棄手続の代理人になれる
一番の違いは、弁護士は相続放棄手続の代理ができることから、裁判所に対する手続きを全て弁護士の名義で行えるところ、他の専門家の場合にはこれができません。
他の専門家の場合、あくまでも、書類作成や資料収集の代行ができるにとどまり、相続放棄手続は申述人ご本人の名義で行うことになります。
つまり、裁判所から見ると、申述人ご本人が相続放棄手続を行っていることになり、間に専門家が存在していることを認識できません。
そのため、相続放棄申述書を提出した後の、裁判所からの質問状対応等はご自身で行うことになります。
また、質問状以外にも、戸籍謄本類に関する細かい確認など、裁判所から随時連絡が入ることがあります。
これについても、弁護士が代理になっていない場合には、ご本人が対応しなければなりません。
さらに、被相続人死亡から3か月以上経過している場合や、遺産分割協議を行ってしまっている場合は、裁判所から呼び出し(審問)を受けることがあります。
このような場合、弁護士が代理人となっていれば、裁判所に付き添い、審問に同席し、サポートすることができます(場合によっては、代理人弁護士のみが出頭すればよいこともあります)。
2 付随問題への対応
相続放棄は、裁判所に相続放棄の書類を提出するだけでは終わりません。
被相続人が住んでいた賃貸住宅の大家さんへの対応や、被相続人が貸金業者にお金を借りていた場合は債権者への連絡などを行う必要もあります。
もしもこれらの方々とトラブルになった場合には、間に入って交渉する必要があります。
法的な紛争に発展しそうな場合、交渉を行うことができるのは弁護士だけです。
場合によっては、債権者が訴訟を提起し、相続人に対して債務の弁済をするよう請求することもあります。
このような場合、債権者側は相続放棄が無効であることを主張してきます。
訴訟対応の専門家である弁護士であれば、訴訟がなされた場合に備え、予め相続放棄手続きの段階において、相続放棄が有効であることを示す証拠を残しておくこともできます。