相続放棄をする理由や動機について

文責:所長 弁護士 石井 浩一

最終更新日:2021年01月01日

被相続人の財産よりも借金(負債)の方が多い

 相続放棄を検討されている方の多くは、被相続人に目立った資産がなく、むしろ借金等の負債が存在しているという事情を抱えています。

 典型的なものとしては、被相続人が貸金業者から金銭の借入をしていたケースがあります。

 その他にも、市県民税、固定資産税、健康保険料等を滞納していたケースがあります¥。

 細かい部分では、入院等をしていて治療費を滞納しているという場合や,知人の連帯保証人になっているという場合があります。

 珍しいものとしては、被相続人が生活保護費を不正受給しており、受け取った生活保護費の返還債務を追っているというケースもあります。

 さらには、被相続人と疎遠であり、被相続人の財政状況などが全くわからないという場合においては、被相続人がどのような負債を負っているか見当がつかないということもあります。

 このような場合こそ、相続放棄は効果を発揮します。

 相続放棄は、初めから相続人ではなくなる効果を有する手続きです。

 つまり、調査しても判明しなかった、潜在的な負債についても免れることができます。

 相続放棄手続後になってから、被相続人の債権者を名乗る者より、金銭の支払い請求がなされるということも、よくあります。

 相続放棄手続を完了していれば、債権者を名乗る者に対して、相続放棄申述受理通知書のコピーを示すことで、支払い請求を停めることができます。

 

相続に関わりたくない

 相続放棄をする理由は限定されていませんので、単に相続に関わりたくないという動機であっても相続放棄をすることができます。

 相続に関わりたくないという典型的なケースは、主に2つあります。

 1つは、他の相続人の中に、問題のある人がいる場合です。

 相続を口実に何かしらの攻撃をしてきたり、あるいは全く話が通じず家族に危害を加えてくるような場合などがあります。

 相続財産が大きく、トラブルを乗り越えてでも取得するメリットがある場合は相続手続きを進めることをお勧めしますが、トラブルによるデメリットの方が大きい場合には相続放棄をしてしまった方が良い場合もあります。

 もう1つは、被相続人に、別の家庭がある場合です。

 離婚等により、被相続人と疎遠になった後、被相続人が別の配偶者を設けて家庭を築いていることがあります。

 被相続人の前夫・妻やその間の子は、法律上、被相続人の相続人になります。

 しかし、被相続人とは何十年も会っておらず、後夫・妻やとその間の子とは面識が全くないということもあります。

 そのような場合、相続放棄をしてしまうことで、後夫・妻やとその間の子と関わることなく、相続関係から離脱することができるようになります。

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